2015年07月

前回に続き会派視察の報告です。
2日目は高知県南国市の電気炊飯器給食を視察。
電気炊飯器を使った給食もユニークですが、南国市は食育への取り組みがすごいんです。
報告は以下に。(今回も提出予定の報告書から抜粋)

 南国市では平成17年9月に「食育のまちづくり宣言」を行い、同年12月には「食育のまちづくり条例」を交付し施行している。平成19年には5年間の「食育推進計画」を策定し、現在では新たな目標を設定した「第2次食育推進計画」を基に食育を推進し、今では市民すべてを巻き込むような流れとなっている。

「食育のまちづくり宣言」の文中にもあるが、食育を知育・徳育・体育の基礎となるべきものと位置づけることで、南国市の学校教育の土台とし、それは単に子どもたちへの食に関する指導だけにとどまらず、地域の文化や風土、素材を生かした特色ある教育へとつながっている。説明の中での「給食を食文化として捉えている一方で、地域の生産者との結びつきを強く意識したものとなっている。」との言葉からもそのことが窺える。

 

南国市の小学校給食は月1回パン給食があるだけで、残りはすべて米飯給食である。その材料は地域の棚田で採れる米を使用。中山間地域の活性化や農業振興への貢献のために始めたが、今では棚田米のブランド化や生産者の高齢化により難しい一面もある。                KIMG0493 (足りない部分は平場米で補うとのこと)

また家庭用電気炊飯器を使った自校炊飯で、温かくて

炊き立ての美味しいごはんを提供している。美味しく食べら

れることが食育を進める上では重要であることは言うまでも

ないが、残食に関しても全国平均7.Kg/年・人に対して

0.   Kg/年・人と圧倒的に残す児童が少ない。

基本和食の献立となっているそうで、献立表がスーパー

などにも貼り出されていて、給食と家庭の晩ごはんが同じ

内容にならないよう工夫されている点は面白い。

 学校給食の側面で給食費の滞納問題があるが、南国市

では滞納者は「0」であり(納入の遅れはあるが)、これはそれだけ保護者にも食育の重要性が理解されているからなのであろうか。(滞納はしたが、少しずつ返済し本人が社会人となって返済したケースもあったそうだ)

 その他、以下にあげる取り組みを行っている。(学校給食にかかわる部分のみ、食育に関する事業は他にもあり。)

 

1.野外給食(もみじ弁当)

本市でも行ってる野外給食。少し違う点は、生産者の方に感謝状や同じ弁当を届け、感謝を表す。

2.地域食材を生かしたデザート・副菜の開発

地域の農協や企業と連携し開発。地元の葡萄を使ったヨーグルトやすももの飲料、大葉のふりかけなど。

3.小・中・高の連携

農業体験では(田植え⇒収穫⇒試食まで)稲作・茶摘み、勤労体験では味噌づくり(給食で使われる)。また、地元の農業高校からは給食用に食材が提供され、その食材を小学生が下ごしらえ。(視察で訪問した十市小学校では、その日提供されたトウモロコシを1年生が皮むきやひげ取りをしていた。)

4.学校栄養職員の食教育

栄養教諭3名、学校栄養職員3名を配置。配置外の学校を含め、食に関する教育を行っている。

5.バイキング給食

自己管理能力の育成を目指し実施。地域の方々を呼び交流をはかることもある。

6.学校給食物資選定委員会

年間3回の実施。学校長や栄養職員のほか、保護者の代表も数名入り安全・安心な食材を選定。

 

 今回は実際に小学校にて給食の試食もさせて頂いた。今回訪れた十市小学校は文科省から「スーパー食育スクール」に指定(全国で35校)されており、学校長の並々ならない意欲が伝わってくる。

 総合学習(年間70時間)の半分を食育に充てると共に、高知大学とも連携して食習慣と学力の関係

調査にも着手。今後の結果も注視したい。

 これからの課題はやはり中学校給食(センター方式による全員給食)の導入で、現状の小学校給食並みのレベルで、且つ、小中の連続性を持ち、義務教育9年間で自立できる力(卒業後は栄養バランスの取れたお弁当を自分で作る)をつけさせる、と言う大きな目標に加え財政面でも大変厳しい状況である。

 しかしながら、「食育のまちづくり」を掲げる同市であればやり遂げるであろうと期待する。単に保護者の負担軽減等だけではなく、学校での食育を発信源として保護者にも食育の観点から家庭での義務を認識させる。そんな同市の中学校給食が導入された後の取り組みも引き続き情報を収集していきたい。
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6/29~7/1の間、会派による視察に行ってきました。
今回は①東京都大田区の放課後児童居場所づくり事業②高知県南国市の電気炊飯器給食③徳島県神山町の生産年齢人口の増加について  以上の3都市。会派で様々な意見交換を行いながらの視察は良い刺激になります。
まずは初日の大田区の報告から。(以下、提出予定の報告書から抜粋)

    放課後児童の居場所づくり事業について (東京都大田区)

 大田区では小学校における放課後児童の居場所づくり事業として、平成27年度より「学童保育事業」「放課後こども教室事業」(本市でいう青少年の家やわいわいスクール)を小学校施設内で一体的に実施する「放課後ひろば事業」を進めている。

「学童保育」は申請が必要で受益者負担は4000円/月、延長にプラス1000円/月となっており、定員数に対して7~8割の利用率とのこと。「本市では20000円/月かかります。」と言ったら目をひん剥いて驚いていた。一方の「放課後子ども教室」は登録制で無料、区内全児童の55%~60%が登録をしており、一日当たりの利用数はその内の15%~20%となっている。

始まったばかりのこの「放課後ひろば事業」は、区内にある58の区立小学校の中から、施設面での課題をクリア出来た、あるいは「選ばれる学校」を目指し積極的に尽力した校長先生のいる14の小学校で先行して実施される事になり、今後はすべての区立小学校に順次拡大してゆく予定である。

「選ばれる学校」・・・・何だかどこかで聞いたようなフレーズではあるが、何かを成すためにはリーダーの強い想いとチャレンジングな試みはどこの世界でも必要不可欠なものだろう。と言うのはこの事業を始めるにあたり、ただ手を挙げたと言うだけでなく、現状打破的な試みもある。それが校舎のタイムシェアと言う考え方だ。

この事業は一体的に実施されているが、「学童保育」と「放課後子ども教室」は基本別々の部屋で実施されている。「学童保育」は専用の部屋(空き教室)が使われ、「放課後子ども教室」については、その日の利用人数によって小学校と調整の上で授業後の教室・図書室・体育館・校庭などを使用する。もちろん、細部にわたり取り決めを行い、立ち入り禁止の区域も設けてあるが、これは学校側からすれば相当融通をきかせた内容である。また、「学童保育」に使われる空き教室の改修も、児童が増えた時のことも考え電源工事等だけとし、必要最小限に抑えてある。(実際に大田区ではほとんどの学区で児童数が増えている)

運営の形態は14の小学校のうち8つの小学校が公設民営(民間業者に委託)、6つの小学校が公設公営(職員の派遣)で運営されている。

 その他の44校では15校が小学校施設利用の公設民営「学童保育」を有し、9校が同じく小学校を利用した公設公営の「放課後子ども教室」を有している。学童保育の併設されてない小学校及び、残りの20校についてはどうなっているのか?と思ったが、何も心配なし。もともと58の小学校区に82の学童保育施設が公設(公設公営は40施設)であり、それを利用しているとの事。公設民営の事業には委託料として一施設当たり2400万円を投じているそうで、本市と比較すると、あらゆる面でレベルが違いすぎると感じた。

 しかしながら、ただ肩を落としてばかりもいられない。これからの本市の放課後児童居場所づくり事業を考えると、財政の面の違いからも大田区のようにはいかないが、やはり学童保育とわいわいスクールを一体化(一元化)し、その上で受益者の負担を減らす方向に向かわなければならないのでは。本市も進める空き教室の利用には必要最低限の投資で、放課後の児童が最優先で使うものの、学校側としても空いてる時には使えるように。そして小学校を公共施設として最大限有効に使うとなると、教育の面と施設の管理と言う面を切り離す必要性があると感じる。(所感部署等の問題はあるが)先生が教育のプロなら、施設管理とセキュリティーもその道のプロに任せ公共施設としてのポテンシャルを充分に発揮できるようにするのが、これからの公共施設統合にもつながるのではないだろうか。

そして指導員の方々はNPO法人が中心となり一元管理し、必要な所へ派遣する体制にすれば利用する児童の増減にも対応できるのでは。子供たちの過ごし方は自主性に任せ遊びの中から学ぶようにし、基本見守りに。となると公設公営、もしくは民営が望ましい。と言うかそうでなければ受益者の負担は下げることができないでしょう。

 学童保育の質が落ちると言われそうですが、質が高い学童保育を受けたい保護者の方は費用がかかっても民間の事業者の運営する所へ行けば良く、行政として関わる以上は、より多くの方に利用しやすい形へと変えてゆかなければならないと感じます。

長々と以上です。2日目以降はまた後日に。 

 

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